子供の身長を伸ばすための俗説というものは、昔からいくつもあります。
たとえばカルシウムが不足しているから、骨が発達しないのだと言って、やたら子どもに牛乳をたくさん飲ませる、というパターンがありますね。
牛乳にカルシウムが豊富に含まれていることは事実ですが、かと言ってカルシウムだけをたくさん取っていれば背が伸びるというものではありません。
また牛乳の飲み過ぎはカロリーオーバーにつながり、また牛乳でお腹がふくれて食事をとらなくなることでほかの栄養素が不足したり、あるいは肥満の原因につながっていく可能性もあります。
最近は肥満の子供が非常に増えてきていることが、社会問題化してきてもいます。
子どもながらメタボ状態が続き、高血圧や糖尿病になってしまうという笑えない事態となって悩んでる家庭も、現実に少なくないのです。
ここで注意していただきたいのは、小学生ぐらいまでは肥満児は概して身長も高く育っていることが多いため、このままでも大丈夫ではないのか?と、親としてはつい思ってしまいがちなことです。
しかし肥満は成長ホルモンの分泌を抑制する方向に働くことから、一定の時期を過ぎると、次第に背の伸び方が他の子供に比べ鈍くなってくることが多くなります。
また肥満したぶん、思春期が早めにくることも多くなって身長の伸びも早い段階で止まりやすいのです。
その一方でいったん肥満してしまうと、いくら運動量の多い子供といえどこれを解消するのはなかなか容易ではありません。
それまで身についた食べ過ぎの食生活についても、子供がおやつやジュースなどを我慢しながら根気よく直していくことは、なかなか容易なことではありません。
いったん身長を伸ばすのにマイナスに作用する生活習慣を身につけてしまうと、その矯正は容易ではないことにはよく注意しておきたいものです。